10センチメートル☆ロマンス




 私の心臓の音しか聞こえない。


 もしかして……私の心臓の音、周りにも聞こえてるのかな?




「蒼一郎!」



 蒼くんの後ろから聡くんが来た。



「早く行こうぜ!椅子片して閉会式だって」

「……分かった。

 葵さん、今日は応援ありがとう。……またね」


 そう言うと、翻し席へ戻って行ってしまった。



「葵さん! また、放課後遊びに来て下さいね!」



 大きく手を振り、後を追う聡くん。



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