10センチメートル☆ロマンス




 一人ニヤニヤしながら敷物を畳んで仕舞ってると、早紀ちゃんが呆れた顔で私を見ていた。



「……葵。
 あんた、もしや忘れてるんじゃないでしょうね?」

「え?」




 忘れる、忘れる……



 ……ヤバい…。


 何を忘れたのかを忘れてるパターンだ!



「えっとぉ……」


 めちゃくちゃ考えてるのに、全く思い出す気配ゼロ!



「はぁ…。

 今日この後文化祭の事でこの後佐伯と会うんじゃないの?」




 ・・・・・。




「―――ああぁぁあっ!?」




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