10センチメートル☆ロマンス
「何食べる?」
メニューを2人で見ながら佐伯くんが聞いてくる。
「う〜ん……私、明太チーズ天」
「じゃ、俺は海鮮天」
注文を佐伯くんがしてくれてる間、店内を見渡す。
お店にいるお客さんはほぼ親子連れか、子供達。
子供も小学生位の小さな子だから、もしかしたら運動会が終わってみんな食べに来てるのかもしれない。
「……月島の…」
不意に、前から声がして慌てて佐伯くんに視線を戻す。
「月島の友達も運動会だったんだろ?
俺の弟達も今日運動会で、ここはみんな終わると打ち上げとかで使ってるんだよ。
唯一、小学生だけで食べに行けるお店なんだ」
昔を懐かしんでいるのか、優しく微笑みながら佐伯くんは私に教えてくれた。
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