10センチメートル☆ロマンス




「私……?

 無いよっ そんなの!
 そんなの、昔は考えた事も無かったし…!」



 ビックリして顔を真っ赤にし、手をブンブン振りながら話す私。


 そんな私の顔を、佐伯くんはおもむろに見つめ、


「じゃあ……今は…?」

「!?」



 ヤバい。ヤバいヤバいっ!

 ……私の脳内を、浸食するほどに浮かぶ顔。



「………」


 佐伯くんは黙って私の答えを待ってる。



 どぉしよおぉぉお!



 真っ赤な顔で俯く私。

 覚悟を決めて伝えようかと考え始めた時――


「あははっ 冗談だよ、冗談!
 月島、マジで考え過ぎぃ〜」


 吹き出しながら、鉄板のお好み焼きを2枚目ひっくり返した佐伯くん。




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