10センチメートル☆ロマンス




「その時にはあおい君、株とかでかなり儲けてて。

 すぐに結婚しようって、大学も辞めて会社設立してねぇ。

 まぁ、成功して今に至るんだけどぉ」



 う…わぁ〜〜!



「すごいっ愛ですねっ?!」

「そうねぇ、愛なのね。
 ふふっ 私ね、今がすごく幸せなの」



 ママさんが材料を切る手を止めて、目を細めて微笑む。



「……たまにね、本当に幸せすぎて涙が出ちゃうのよ。

 素敵な旦那様と、素敵な息子と。なんて幸せなんだろう…って」



 深すぎて、私にはよく分からない感情。




< 78 / 352 >

この作品をシェア

pagetop