わたしだけを見てほしいのに
「あいつ、すげー浮気性なんだよ。」
「え?」
「それが耐えられなくて別れた。
俺はあいつのこともう
いっさい信じてないから。」

だから
あの時、電話で怒ってたの?

「俺は、香乃子が好きなんだよ。」

ホントに?

信じていいの?

悠人くんが私の手をとる

「心配したんだろ。」

悠斗くんの大好きな笑顔
涙顔の顔を覗き込まれて
なんだか恥ずかしくて
笑ってしまった・・・

「バーカ。
可愛いなお前。」
「だって・・・。」

電車がホームに入ってくる

私たちは
手をつないで
電車に乗った。

レイアなんかよりも
私の方が
悠斗くんの事が好きなんだから

絶対この手を離さないって
私は、強く思った。
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