わたしだけを見てほしいのに
私は麗亜の手紙を裏返して
持っていたペンで殴り書いた

「もう、別れよう
 香乃子」

こんなに傷ついているのに
心はちっとも
別れたくなんかなかった

でもなんでもいいから
とにかく何か衝撃を置いて行きたかった

大好きだったこの部屋も
もう二度と来ないのかもしれない

あふれてくる涙を止める間もなく
忙しく部屋を出た

駅に向かえば
悠斗くんに会ってしまう
可能性が高い

マンンションを出た私は
自分の家の方向に
逃げるように歩き出した
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