わたしだけを見てほしいのに
「女と一緒だから
返事できねーんだろ。」
「・・・最低。」


直樹くんの前では
自然と正直な感情が出てくる
自分が不思議だった

でも
今まで抑制して来た不満が
やっと音を立てて私から
抜けていくような感覚で
不思議と悪い気はしなかった

「早くギター返してもらって
別れちゃえ。」

別れる・・・

みんな口々に言うけど
どうしてもピンと来ない

「お前、ライバルがいるから
酔ってんじゃねーの?」
「そんなことない。私なんか
あの子のせいで完全に
自信無くしたんだからね!」

ちょっとだけ泣きたくなった

直樹くんに私の気持ちなんか
分かるもんか













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