わたしだけを見てほしいのに
「香乃子に会いたかった。」
「・・・嘘。」

嘘に決まってる
もう、悠斗くんの言う事なんか
私、信じないって決めたから

「ホントに会いたくて
電話も何度もかけたのに
繋がらなくて・・・。」

なんだか責められてるような
気分だった。

責めたいのはこっちなのに。

「昨日、メールもらった時
麗亜が俺の携帯持ってたんだよ。」
「え?どういうこと?」
「あいつ、今、異常なんだ。
別れようって言うと
カミソリ出して
リストカットしようとするんだよ。」
「カミソリ!?」

麗亜が?
信じられなかった。
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