わたしだけを見てほしいのに
ものすごく久しぶりで
ほんの少し忘れかけていた
感触と香り

「悠斗くん、泣いてるの?」

悠斗くんの腕に力が入る
熱くて、苦しい

「悠斗くん。」
「好きだよ。」

悠斗くんの唇が私の唇に触れる
柔らかい・・・

悠斗くんのキスは
すごく長かった

感情が押し流されそうになる

大好きだった事
優しかった事
2人で過ごした思い出が
全部一気に私を襲ってくる

「香乃子。」

私は
悠斗くんに押し倒された
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