わたしだけを見てほしいのに
2時間は、あっという間だった

映奈は、純哉くんから
電話があり途中で帰った

4人でビルの外へ出ると
雨はだいぶ小雨になっていた

「俺たち、家までバスで帰るけど
香乃子ちゃん電車だったよね。」
「はい。」

そういえば私以外の3人は、
家が同じ方向だったっけ。

「じゃ、またみんなで遊ぼう。」
「うん、楽しかった。
仁絵ちゃんありがとね。」

手を振って
駅の方向に歩き出した時

「駅まで送ってく。」

直樹くんが私と並んで歩き出した。

「え、いいよ駅すぐそこじゃん。」

駅へは、歩いて10分もかからない。
なんだか悪いな、と思った。

「もう遅いだろ。」
「そうだね、ありがと。」









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