わたしだけを見てほしいのに
悠斗くんの家の前に着いたのは
20時近くだった
外は真っ暗で肌寒かった

電車の中で何を言おうか
色々と考えたけど
とにかくはっきり
別れようとだけ言おうと思った
おそらく一緒に居るであろう
麗亜の前で

エントランスに着く
直樹くんがインターフォンを鳴らす
私は見えない様に離れていた
ロックが解除されて2人で中に入る

エレベーターの中
私より少し背の高い直樹くんの
顔を見上げた
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