わたしだけを見てほしいのに
私は黙って部屋に入った

ソファに座っている悠斗くんが
信じられないという顔をして
私を見ている

隣りには麗亜が座っていた

初めて真正面から
ちゃんと見る麗亜の顔

小さな顔に
やや小さい目と
薄い唇

独特の大人っぽい雰囲気以外は
イメ―ジと違っていた

なんだか急に
親近感みたいなものが
湧いて来てしまう

「こんばんは。」

私は麗亜に挨拶をした

「香乃子さん?」

麗亜も私に会うのは
はじめてのはずだった

突然現れた私を
きょとんとして見上げていた





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