わたしだけを見てほしいのに
カミソリなんかでもう
自分を傷つけないでと、
言いたかったけどやめておいた


「じゃ、お邪魔してごめんね。」

私は2人に背を向けて
そのまま部屋を出た。
今度こそ、
これが最後だという気持ちで
胸がいっぱいになった。

マンションを出て
直樹くんと駅に向かって
夜道を歩いた。

「良かったじゃん。はっきり言えて。」
「うん。ホントにありがとう。」

悠斗くんと麗亜に
あんなにはっきりと言えたのは
直樹くんが着いていてくれたからだと
思った。








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