わたしだけを見てほしいのに
ピンとこない分
どう答えていいのか分からない。
思わず手元のメニューに
目を落とす。

「純哉たち、まだかなー。」

映奈が窓の外を眺める。

「メンバーみんな、大人っぽいよね。
同い年に見えなかった。」
「そうかなぁ?でもマジで
悠斗くんはメイク映えしてたね。
あれは、見とれるわ。」
「そうだよね。歌もホント
良かったし。またライブ行きたいな。」

映奈も分かってくれたことに
ホッとして思わず素直になってしまう。

「香乃子、悠斗くん、どう!?」

映奈が突然、直球を投げてきて
なんとか表情を固める私。

「・・・えー?
だって、彼女居るんじゃない?」
「居ないんじゃない?
聞いてみよっか!?」

映奈の楽しそうな顔につられて
私も顔がほころびる。
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