わたしだけを見てほしいのに
ホームに着いて
私達は出発待ちの
電車に乗り込んだ

空いている車内に並んで座る

あと10分で
この電車は走り出して
悠斗くんは3駅目で
降りて行ってしまう

こんな風に
二人で居られるのなんて
あとわずかなのに…

どうしよう

どうすればまた会える?

「今日、一番前で
見てくれてたよね。」

悠斗くんが優しい声で
きゅうに話題を変えた

「うん。」

近くで見る悠斗くんの横顔


















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