わたしだけを見てほしいのに
「来ちゃった。」
「わー、びっくりしたー。」

悠斗くんは本気でびっくりしてる
私はなるべく笑顔をつくりながら
ソファに座ってる彼の隣りに座った

「どうしたの?早いじゃん。」
「なんかね、早く起きちゃったから
驚かせようかなと思って・・・
ごめんね。」
「マジで驚いた。」

悠斗くんは笑いもせずに
TVのリモコンに手をのばした

まだ、さっきの電話のことで
怒ってる?

「雨、すごくなかった?」
「すごかったよ。今日は一日
降るみたいね。」

さっきよりも強く降り続ける雨が
レースのカーテンの向こうに見えた
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