わたしだけを見てほしいのに
「香乃子。」

悠斗くんがきゅうに
真剣な表情に変わった。

「ん?何?」
「今日ね。」
「うん。」

悠斗くんの手が私の手の上に
重なる。

「バンドのメンバーには俺、
出かけてる事になってる。」
「うん。」
「インターフォンが鳴っても
今日は、出ない。」
「そうなんだ。」

なんだろう?

「だから、いいよね。」

え・・・?

「何が?」

よく、意味が分からないんだけど・・・
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