わたしだけを見てほしいのに
何度も何度も想像してた事が
現実になっていく

めまいがしそうだった

「悠斗くん・・・
香乃子のこと好き?」

気づいたら
信じられないくらい
小さな子供みたいな声で
私は聞いていた

「ねえ、好き?」

さっきの電話の事がほんの少し
頭をかすめる

やだやだ
悠斗くんは
私だけのものだよ

「ねえ悠斗・・・」
「好きだよ。」

悠斗くんの優しい声と
唇が
また私の唇をしっかりと塞いで
私はそれ以上
何も言えなくなってしまった
< 88 / 202 >

この作品をシェア

pagetop