わたしだけを見てほしいのに
次の日は
体がダルくて
ベッドから出れなかった

結局起き上がれたのは
お昼を過ぎた頃だった

朝から何度も
昨日の記憶を
思い出していた
悠斗くんの表情も、何度も。

携帯を手に取ると
珍しくメールの着信が無かった
会わない日の朝は必ず
「おはよう」のメールがきてたのに

今まで経験した事の無いような
変な感覚が襲ってくる

それは
悠斗くんと前より深まった事の
嬉しさと
何故か悠斗くんが
居なくなってしまうような
寂しさが
ないまぜになったような
生まれて始めて知る
おかしな気持ちだった

外は
眩しい日差しの中で
けたたましい蝉の声が
時々聞こえていた
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