わたしだけを見てほしいのに
そういえばここのところ
お昼は、悠斗くんの部屋で
コンビニ弁当が続いてたから
家でママとお昼を食べること自体
久しぶりだった

「美味しい。」
「でしょ。で、彼氏は
どんな子なの?」
「同い年で、バンドやってる。」
「バンドマンかあ。
修ちゃんみたいじゃない。」
「お兄ちゃんよりかっこいいもん。」

ママにはけっこう
何でも話してきたから
悠斗くんのことを
1ヶ月近く隠してるのは
正直落ち着かなかった
やっぱり
話してみたらホッとしてる
自分がいた

「今日は会わないの?」
「うん。明日ライヴだから
練習なんだって。」
「へえ・・・そっか。
香乃ちゃんについに彼氏がね。
パパ泣くわよー。」
「やだ、パパに言わないでよ。」

ママが楽しそうに笑った。

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