- π PI Ⅱ -【BL】
「おい!陣内!!ヒロに突っ込んでいいのはこの俺様だけだ!手出ししたらこの手で絞め殺してやる!」とビシッと陣内を指差し、周は怒鳴った。
「ちなみに突っ込まれていいのはあたしだけ♪」と刹那さん。
失せろ…変態どもめ。
三好はびっくりして声も出せないようだ。
俺、周に助けを求めたの、間違ってたかも……
「もう言い逃れは出来ないぞ。陣内」
周はぎろりと陣内を睨んで、そして俺に目を向けてきた。
俺と目が合うと、周はびっくりしたように目を開いて、
「ヒロ!お前っ陣内に何された!!」と怒鳴った。
「桐ヶ谷っ!!殴られたのか!?」と三好も勢い込む。
「サイテーね」と刹那さんは目を細めて陣内を見た。
陣内はくっと喉の奥で呻くと、俺の元に素早くしゃがみこみナイフを俺の喉元に突きつける。
「うるさい!こいつがどうなってもいいのか!!」
ひやりと冷たいリアルな感触に身震いしながら、俺は周をまっすぐに見つめた。
「……周」
何とか声を振り絞ってあいつの名前を呼ぶと、
周は一歩前に進み出た。
陣内が俺の髪を掴み上を向かせると、ナイフの先をさらに突きつける。
「近づくな!こいつがどうなってもいいのか!!」
怒鳴る陣内に、周は
「まぁそう焦るな陣内。ここでクエスチョン。
半径1.5mの円を底面とする高さ100mの円錐の体積は?」
はぁ!?何言ってるんだよ!!
こんなときまでお前は意味不明だな!
横目でちらりと陣内を見ると、ヤツもその意味不明な質問に一瞬たじろいだ。
ナイフを持つ手が一瞬だけ緩んだ隙をついて、周が走ってくる。
「答えは
ブタ箱で教えてやるよ!!!」
バキッ!!!
骨と骨がぶつかる音がして、周が陣内の顔面を思い切り殴った。