- π PI Ⅱ -【BL】


「動くな!この女がどうなってもいいのか!」


陣内の怒鳴り声で俺たち三人は揃って顔を上げた。


いつの間にか刹那さんの後ろに回りこんでいた陣内は刹那さんの首を羽交い絞めにして、首元にナイフを突き立てている。


「刹那さん!」


「捕まっちゃった♪」と刹那さんは余裕顔。


「やめろ陣内!その人は関係ないだろ!!」俺が怒鳴ると、陣内はまたもふんと鼻で笑った。


「正義漢ぶりやがって!!それで橘警視に取り入れるとでも思ってるのか!」


「違う!」


俺が怒鳴ると、周が低い声で被せた。





「ああ、違うな。こいつは正義漢ぶってるんじゃなくて、元々こうゆうヤツなんだよ。



毒舌だけど、くそが付くほど生真面目でまっすぐで、態度が悪いが、曲がったことが大嫌いで―――


いつも一生懸命で。



そうゆうとこが好きになった。



俺の前だけでいい子ちゃんしてるお前とは違うんだよ!」





毒舌…?態度悪い??くそ真面目?


それってけなしてるの?褒めてるの?


ま…いっか……周が俺のことそんな風に思ってくれていたなんて…




―――聞けて良かった。






「ああ、そうだな。俺もそんな桐ヶ谷だから好きになったんだ」



後ろで三好も声を上げる。




三好――――………






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