- π PI Ⅱ -【BL】


「………だ……」


だめだ!言えねぇ!!


かぁっと頬が赤くなるのをヒロジで隠すと、周は考えるようにちょっと首を捻った。


「だ?ダチョウと俺様、どっちの足が速いかという質問には答えかねる。勝負したことがないからな」


と手を挙げた。


いやいや…何だよ、その答え。誰だって勝負したことなんてねぇよ。またも意味不明!


って言ってもこいつはふざけて言ってるわけじゃない。怖いのは、こいつがいつだって本気だってことだ!


…いかん、いかん。気を取り直して…


「…そうじゃなくて。その……だい………」


ぅおお!顔から火が出そうだぜ!!


「だい?(オバマ)大統領に会いたい?Yes we can!☆」


…………


もはや返す言葉もない。





「って…ちっがーーーう!!!


俺は、抱いてほしいの!!」







大声で叫んで、はっとなった。


慌てて口を噤むと、周はびっくりしたように目を開いて俺を見上げていた。


「あ…いや。…それは、そのヒロジがそー言ってた…」慌ててヒロジで顔を隠すと、





「ヒロ~~~!!!」






周は凄い勢いで、飛び掛ってきて俺はむぎゅぅとヒロジごと押し倒された。



「ギャーーー!!」



< 119 / 188 >

この作品をシェア

pagetop