- π PI Ⅱ -【BL】
ヒロジでもヒロにゃんこでも、どっちでもいいや―――
周がこの時間だけは俺だけを見てくれれば。
俺は周の首に腕を回した。
―――……周の体温と俺の体温が混ざり合って、トロトロに溶けて一体化していくような不思議な感覚に陥った。
汗も体温も、吐息も―――全部混じって、シーツに溶け込む。
相変わらず異物感と痛みには顔をしかめたが、それ以上に気持ちがこんなにも周を欲している。
周
周―――
「愛してる」
――――
――
肌をひんやりとした冷気が撫でていき、混沌とした意識の中、俺は無意識のうちに布団を引き上げようとした。
だけどそれよりも早くに周の腕がぎゅっと俺の肩を包み、周の胸元に引き寄せられて、
俺は僅かに目を開けた。
顔を上げると目の前に―――心地良さそうに眠る周の寝顔があった。
長い睫を伏せて、どこか安心したその寝顔は色っぽかった。
好きな人の腕の中で目覚めることが、こんなにも幸せなことだと俺ははじめて気付いたんだ。
「周―――好き…」
ぼんやりと心地いい意識の中、声を出してきゅっと抱きしめると、
「俺もだ、ハニー♪」
がばぁっとのしかかってきた。
「ギャーーーー!!」
ってかデジャヴ!?
前もあったんですけどーーー!
確かに俺は周とセックスがしたかったけど、俺は周みたいに元気じゃない。
だけどいつだってエネルギー満タン状態の周の餌食にされたのは
言うまでもない。