- π PI Ⅱ -【BL】


ヒロジでもヒロにゃんこでも、どっちでもいいや―――


周がこの時間だけは俺だけを見てくれれば。


俺は周の首に腕を回した。



―――……周の体温と俺の体温が混ざり合って、トロトロに溶けて一体化していくような不思議な感覚に陥った。


汗も体温も、吐息も―――全部混じって、シーツに溶け込む。


相変わらず異物感と痛みには顔をしかめたが、それ以上に気持ちがこんなにも周を欲している。





周―――





「愛してる」





――――

――


肌をひんやりとした冷気が撫でていき、混沌とした意識の中、俺は無意識のうちに布団を引き上げようとした。


だけどそれよりも早くに周の腕がぎゅっと俺の肩を包み、周の胸元に引き寄せられて、


俺は僅かに目を開けた。


顔を上げると目の前に―――心地良さそうに眠る周の寝顔があった。


長い睫を伏せて、どこか安心したその寝顔は色っぽかった。


好きな人の腕の中で目覚めることが、こんなにも幸せなことだと俺ははじめて気付いたんだ。


「周―――好き…」


ぼんやりと心地いい意識の中、声を出してきゅっと抱きしめると、


「俺もだ、ハニー♪」


がばぁっとのしかかってきた。


「ギャーーーー!!」


ってかデジャヴ!?


前もあったんですけどーーー!




確かに俺は周とセックスがしたかったけど、俺は周みたいに元気じゃない。


だけどいつだってエネルギー満タン状態の周の餌食にされたのは



言うまでもない。





< 122 / 188 >

この作品をシェア

pagetop