- π PI Ⅱ -【BL】
「は?新しいの?いつの間に!」三好は驚いて目を丸めた。
その上結婚しました、実は俺“桐ヶ谷”じゃなく今は“橘”なんです、なんて言った暁にはぶっ倒れるかもな。
「その話は詳しく聞きたいけど…」
いや、聞かないでくれ。
「もう合コンの日取り決まっちゃったんだよ。人数あと一人足りなくてさぁ。イケメン呼ぶって言っちゃったから、お前だったら絶対大丈夫だし」
いやいや、何が大丈夫なの?
「悪いけどパス。俺はその日デートなんでね」
「何だよ。ラブラブじゃん♪宮下さんのこと吹っ切れたみたいだな」
ラブラブ……まぁそうかもしれんが…
周が聞いたら、手を叩いて喜びそうだ。
三好は尚も渋っていたが、無理なものは無理。行く気もないし。
俺の隣でまだぶつぶつ言っている三好が、ふいに俺の腕をつついた。
「なぁあの女、すっげぇ美人じゃね?こっち見てるけど、お前の知り合い?」
三好の言葉に俺が顔を上げると、ちょっと離れた場所のテーブルで優雅に紅茶を飲んでいた女と目が合った。
今朝の―――………