- π PI Ⅱ -【BL】
「み、三好??」
びっくりして目を剥いてると、
「お前を迎えに来た♪」と三好はにこにこ。
「呼んでねぇ。お前は逆方向だろ。ってかお前ヒロにフられただろ」と周は戦闘モードON。
「そうだけどさぁ。あの後良く考えたら、男だからダメってわけじゃないみたいだし、俺にもまだ分があるかな~、って思ってサ」
え??いやいやいや…確かにダメってわけじゃないけど、それはあくまで周だからでして…
「ヒロは俺様にメロメロだ。従ってお前はナシ。昨日だってあんなことやこんなこと…」
「わ゛ーーー!!」
俺が叫んで周の口を手で塞いだ。
それでも三好は全然堪えていない様子でケロっとしている。
「警視庁とは逆方向だろ?一緒に行こうぜ~♪」
なんて強引に腕を引かれて、俺はよろけた。
すかさず反対側から周の腕が伸びてくる。
「ヒロは俺様が送っていくんだよ」
いや…どっちでもいいから…離してくれる??
「桐ヶ谷は俺と一緒に行くんだ」
「ヒロは俺様と行く。それに桐ヶ谷じゃなく橘だ」
ぐいーっと両方向から引っ張られて、はっとなった。
これってあの有名な“大岡越前”のワンシーンじゃね!??
「って俺は大岡越前より水戸黄門の方が好きなのーー!!」
自分自身わけ分からないことを叫ぶと、二人は、はっとしたように同時に手を離した。
その反動でよろけると、今度は後ろから誰かにしっかりと抱きとめられた。
やわらかいその感触に、顔を振り向かせると、
「ヒロはあたしと行くのよ♪」
と、今度は刹那さん!?