- π PI Ⅱ -【BL】


「み、三好??」


びっくりして目を剥いてると、


「お前を迎えに来た♪」と三好はにこにこ。


「呼んでねぇ。お前は逆方向だろ。ってかお前ヒロにフられただろ」と周は戦闘モードON。


「そうだけどさぁ。あの後良く考えたら、男だからダメってわけじゃないみたいだし、俺にもまだ分があるかな~、って思ってサ」


え??いやいやいや…確かにダメってわけじゃないけど、それはあくまで周だからでして…


「ヒロは俺様にメロメロだ。従ってお前はナシ。昨日だってあんなことやこんなこと…」


「わ゛ーーー!!」


俺が叫んで周の口を手で塞いだ。


それでも三好は全然堪えていない様子でケロっとしている。


「警視庁とは逆方向だろ?一緒に行こうぜ~♪」


なんて強引に腕を引かれて、俺はよろけた。


すかさず反対側から周の腕が伸びてくる。


「ヒロは俺様が送っていくんだよ」


いや…どっちでもいいから…離してくれる??


「桐ヶ谷は俺と一緒に行くんだ」

「ヒロは俺様と行く。それに桐ヶ谷じゃなく橘だ」


ぐいーっと両方向から引っ張られて、はっとなった。


これってあの有名な“大岡越前”のワンシーンじゃね!??


「って俺は大岡越前より水戸黄門の方が好きなのーー!!」


自分自身わけ分からないことを叫ぶと、二人は、はっとしたように同時に手を離した。


その反動でよろけると、今度は後ろから誰かにしっかりと抱きとめられた。


やわらかいその感触に、顔を振り向かせると、


「ヒロはあたしと行くのよ♪」


と、今度は刹那さん!?



< 142 / 188 >

この作品をシェア

pagetop