- π PI Ⅱ -【BL】
いや、待て…相手は男だ。
男の考えることなんて、同じ男だったら分かる筈。
つまり俺の作戦は桐ヶ谷には分かってしまう。
む゛~~っと考え込んで、それでも俺は会社の最寄の駅で桐ヶ谷を待ち伏せ。
思えば待ち伏せなんて一度もしたことなかったよ。
初☆体・験♪
―――じゃねぇ!こんなところでうろうろしてて、同僚なんかに出会ったら何て言い訳すればいいの?
なんて考えているときに、
「あれ?三好?」と前方から敵が…(いやいや好きなヤツが)手を振って走ってくる。
う゛!桐ヶ谷……朝からお前は何でそんなに爽やかなんだよ…何かキラキラしてるぞ?(←それは目の錯覚です)
と考えて俺は頭を振った。
いかん、いかん。もっとキリッといかねば。
何せ本当の敵はあの超!!イケメン刑事(ついでに言うとエリート様)だからな。
しかし……
俺は桐ヶ谷のことを何年も見ている。
あいつには負けん。
―――……はじめて会ったのは、入社するときの研修で。
『ここ、いい?』と俺の隣の椅子を指差してきたのが桐ヶ谷だった。
『あ、どーぞ』顔を上げた俺はちょっと目をまばたいた。
全体的に線が細いのに、不思議となよなよしてるようには思えない。
女のような、少年のようなちょっと危ない色気があって―――
とにかく人目につく容姿だった。
なのに―――