- π PI Ⅱ -【BL】
黒い柔らかそうなサラサッラの髪。細い首は白くて―――肌は女のようにきめ細やかだ……
「三好?」
またも怪訝そうに…いや、今は明らかに警戒しているように桐ヶ谷がちょっと顎を引く。
そう―――俺は桐ヶ谷に愛の告白なるものをして、しかも旦那(?)から奪ってやる宣言をしたんだ。
桐ヶ谷が警戒するのは当然なことで…
でも拒否された気がして凹んだ。
だけどそんな気持ちを悟られたくなくて、
「あ、あはは~…お前って肌が女みてぇだからさぁ。何か手入れしてんの?」と的外れなことを聞く。
桐ヶ谷は急に警戒を解いたように、にこっと笑うと、(ってかその笑顔反則だっつうの!俺の理性が吹っ飛ぶぜ…)
「手入れ?んなもんしてねぇよ。洗顔だけ」と爽やかに答える。
「へぇ?何使ってるの?」
「何って、石鹸だけど?」
「いや、洗顔フォームのこと」
「だから石鹸だって」と桐ヶ谷はさらり。
「は?普通洗顔使わねぇか?」
「そーなの?石鹸は安いし長持ちするし、お得だぜ?♪」
桐ヶ谷は白い歯を見せて、にっと笑う。
石鹸……
男らしぃ!
キュン♪
じゃなくて!俺、こんなところでトキメクなよ!!
ってか桐ヶ谷って顔はどっちかと言うと女っぽいのに、中身ホント男!だな!!