- π PI Ⅱ -【BL】
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「わ~…すっげぇきれいな部屋」
ヒロは俺のマンションに来て興味深そうにあたりをキョロキョロ。
桐ヶ谷 ヒロに、「うちに来て飲み直さないか?」なんて誘ったら、あっさりOK♪
今思えば、このときすでにだいぶ酔ってたんだよなぁ。
警戒心と常識をしっかり持ち合わせた普段のヒロだったら有り得ないことだったが…
まぁ家に連れ帰れば問題Nothing! All OK!!だ。
まだキョロキョロしている警戒心の薄れたヒロを眺めて、
「ふむ。俺様の家に入れておくには申し分ないな」と両指で四角を作った。
絶景だ♪
「生憎今はウィスキーしかないが、それでもいいか?」
「うん♪」ヒロはご機嫌。
濃い目に作って酔わしてやろう作戦だ。我ながらナイスアイデア!じゃなくて、悪知恵だな。
……と言うわけで、案の定グラスを二杯目になるとヒロは
「熱い」と言ってネクタイをむしりだした。
俺のすぐ隣で甘い吐息をついて、ソファの背に深く背中を預けている無防備はヒロ。
食ってください、と言ってるものじゃないか。
良かろう。食ってやる♪
ってなわけで、すかさず俺がヒロの肩に手を回してちょっと引き寄せると、ヒロは不思議そうに俺を見上げてきた。
ちょっと力を入れると、ヒロはあっさりと俺の胸の中に崩れ落ちてくる。
「…えっと…あの?」
ヒロが怪訝そうに目を上げて、ちょっと驚いたように目をまばたきさせた。
俺はヒロの細い顎を掴み僅かに持ち上げると、予告もなしに
キスをした。