- π PI Ⅱ -【BL】
抵抗してくると思いきや、唇を離して反応を伺うと予想に反してヒロはくすぐったそうにちょっと笑った。
ふ~む…俺の勘違いか?こいつは間違いなくノンケなはずだが。
でも、まいっか。俺様にとっては何の関係もない。
調子に乗ってもう一度顔を近づけると、今度はヒロが慌てて顔を背ける。
え?何で??
ヒロが口元を覆い、
「いや、俺今酒臭いと思うし」
は?気にするとこ、そこ?
「そんなこと気にしてるのか?そんなのお互いさまだ」
言い聞かせてもう一度顔を近づけると、ヒロはちょっと考えるように首を捻った。
「あの……俺、男デスけど」
「そんなこと百も承知だ」
「あんたも男…だよな?」
疑うような目で俺を見上げてきて、俺は頷いた。
「俺が女に見えるか?」
「ううん」
ヒロがゆるゆると首を横に振る。
何か調子狂うな。あからさまな拒絶がないにしろ、一歩遅れて常識とか認識とかがこいつの中を横切っている。
こうなりゃ早くこっちのモンにして、既成事実を作るのが一番♪
俺は素早く考えて、ヒロを押し倒した。