- π PI Ⅱ -【BL】


ぐさーーー!!


俺が比奈に騙されていたことを、何故知っている!?


陣内の言葉に怯みながらも俺は何とかこいつを睨み続けた。


「その、しがないサラリーマンの税金で食ってるヤツが何を言うんだ」


この言葉に陣内が怯んで唇を噛んだ。


か、勝った??


だけどそれは一瞬で、陣内はキッと目を吊り上げると、


「俺はずっと夢だった警察官になって、はじめて研修で橘警視を見たときから好きだったんだ!


派出所や県警を地道に這い登って言って念願だった警視庁に異動になったときは、嬉しくて涙が出そうだった。


だけど憧れの橘警視はお前みたいな平凡なサラリーマンを恋人にしてて!


橘警視がお前みたいな平凡な男を選んだ理由がまったく分からない!


女にフられてむしゃくしゃしてたから、どーせお前が警視をたぶらかせたんだろ!?」


と一気にまくし立て、俺をビシっと指さした。


「はぁ?言い寄ってきたのは俺じゃなく、周の方で…」


「嘘だ!お前みたいなヤツ、俺は絶対認めないからなっ。お前から警視を奪ってやる!」


宣戦布告ってやつですか…?


俺はぎゅっと奥歯を噛み締めると、




上等だ



「奪えるもんなら奪ってみろよ。俺だって負けねぇ。周を想う気持ちは



誰にも負けない!」





と言い切った。





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