- π PI Ⅱ -【BL】
「そんな顔をするな。俺様にはお守りがあるんだからな」
お守り…?不思議に思って首を傾げると、
「ジャーン♪」
周はヒロジをさらにちっさくしたミニヒロジのついたキーホルダーを取り出した。
「あの…これ、何スか…?」
「ミニヒロジだ♪こいつを持ってると、ヒロといつも一緒に居られる♪お前の分もあるぜ?ミニ周おおかみだ」
なんて言ってポケットからちっちゃいおおかみを取り出して周はにこにこ。
ミニヒロジに、ミニ周おおかみ…そのまんま…てか、これ手作り??
「しかも声も出る♪」
呆然としている俺に向かって、周はおおかみの腹をちょっと指で押した。
『愛してるぜ。ヒロ~♪お前をめちゃくちゃにしたい』
おおかみが喋った!
ってか「めちゃくちゃにしたい」なんて言葉に背中がゾっとなる。
「これはな、背中に録音機能がついてて…」なんて説明しだしてくる。
こいつぜってぇ死なねぇな。なんか、しぶとそうだ。
「お前はこのおおかみと一緒にねんねしてろ♪何も心配するな」
なんておおかみを押し付けてくるし。
もう…この人……どこまでも意味不明だな。
「変態の戯言はいい。早く行ってくれ」
呆れ帰って俺は手を振った。
「いってらっしゃいダーリン♪のハグとチューは??」
「行って来い」
俺は周を睨むと、ドアを指差した。
周が玄関を出て行くときに、少しだけ振り返り口元に淡い笑みを浮かべた。
「ヒロ。すべての出来事は点と線で丸く繋がっている。俺とお前の仲もそうだが、
この事件も……
どこかで繋がっている。偶然なんてこの世に存在しない。
俺はそれを―――証明してみせる」