- π PI Ⅱ -【BL】



パタンと閉じられたドアを見つめて、俺は呆然と突っ立ったまま。



また―――………


同じようなことを言っていた…周と刹那さん……


やっぱりあの二人…恋人同士以上の何かあるんじゃ…


そんなことを考えて、俺は慌てて頭を振った。


周を―――信じよう…


ビールを一気飲みして、俺はその日夕飯も食べずにベッドに潜り込んだ。


嫌なことを考えないよう、ぎゅっとおおかみを抱きしめて。


そうしていると、周に抱きしめられている気がした。


おおかみの胴体から…ほんの僅かに周の香りが香ってきて、その夜俺はあっけなく眠りに落ちた。


―――


次の日、いつも以上に早起きをして俺は新聞を慌ててめくった。


新聞には周の担当している事件が載ってるかと思ったから。


でも事件が多すぎて、検討がつかない。


そんな中、例の強盗事件の記事に目がいった。


“連続強盗事件、ついに怪我人出る。男子大学生重体”と言う見出しを見て、新聞を握る手に力が入った。


“警視庁が捜査中の連続強姦強盗事件は捜査に進展がないまま、遂に怪我人が出た。


男子学生は付近の大学から帰宅途中、襲われたもよう。


乱暴され、その後鋭利な刃物で体の数箇所を切りつけられた様子。その後男子学生は発見が早かったため近くの病院に搬送され、命に別状はないと言う。


尚、警視庁は今回の事件から容疑を強盗事件から、殺人未遂、傷害罪などの容疑に切り替え、捜査を続行するもよう”







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