- π PI Ⅱ -【BL】
「せ、刹那さん!何か着てください!!」
俺が慌てて目を逸らすと、
「あら~♪新鮮な反応♪ウブねぇ」なんて楽しそう。
いや…いやいやいや…
勘弁してくださいよ。俺だって男だから、刹那さんみたいな見事なプロポーション…しかもほとんど裸に近いかっこを目にすると、色んなところが元気に…
何故だ……
何故反応しない。俺……
周の―――色っぽい笑顔や、きれいな首筋や、骨ばった肩…それからきれいな筋肉のついた男らしい腕とか、足首とか見ると反応するのに…
ってか考えたら、その気になってくる。
考えを打ち払うかのように手を振ると、刹那さんは面白そうに笑ってくるりと後ろを向いた。
「喉渇いちゃった~何か貰うわね♪」なんてマイペース。
その瞬間、バスタオルが外れて、パサリと床に落ちた。
白い背中が目に映って、俺はまたも目を剥いた。
刹那さんの白い背中には、毒々しいまでの真っ黒い蜘蛛の大きなタトゥーが彫られていたから。
なるほど…
それで女郎蜘蛛ねぇ…
なんて納得している場合じゃねぇ!
ーーーー!!!
声にならない叫び声を上げて慌てて顔を逸らしたが、
それでも
刹那さんの見事な裸体を見ても、反応しなかった俺…どうよ……