- π PI Ⅱ -【BL】


変態で意味不明で、強引で俺様で……


だけどいつもあいつは俺に対してまっすぐすぎる愛情を注いでくれた。


俺もまっすぐに答えたい。


「桐ヶ谷……」


三好が顔を眉を寄せて切なそうに俺を見返してくる。


「桐ヶ谷…俺……」


三好が何か言いかけたときだった。


数人の見知らぬ男たちが近づいてくる気配を感じて、俺たちは揃って顔を上げた。





「桐ヶ谷 ヒロだな?連続強盗事件について事情を聞きたい。署まで任意同行願おうか」





警察バッジと、令状を掲げた私服警官が俺を見て、まるで刺すような鋭い視線で俺を一瞥した。



はっ―――…?



何で―――!!?






―――――

――


わけも分からないまま近くの警察署まで連れて行かれ、狭い取調室に押し込められる。


二時間ドラマに出てきそうなそっけない小さな部屋だった。


って、今は冷静に分析してる場合じゃない!!


「お前がやったんだろ!」


開口一番にそう言われ、俺は目を丸めた。


「ちょ、ちょっと待ってください!俺、何も知りません」


慌てて手を振ると、


「言い逃れはできないぞ!証拠が揃っている」といかつい刑事がぎろりと俺を睨む。


証拠―――…?




「昨夜の犯行現場に残されていた犯人の毛髪と思われるものがお前の毛髪と一致した。さらに被害者の体内に残っていた僅かな体液から犯人はA型の人間だということも判明している。


さらに被害者の証言によると、襲った犯人の背格好がお前に酷似している」





毛髪―――?A型……?背格好―――?




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