- π PI Ⅱ -【BL】
ちょっと待て!俺は何も知らないし、ましてや何もやってない!!
第一A型の血液型を持つ男が、この日本中に一体どれだけ居ると思ってんだよ!
と言い返したかったが…
「言い訳があるなら一応聞こう。昨日18時~19時の間どこで何をしていた」
あまりにも迫力のある睨みを利かして、ずいと身を乗り出されたら、こうゆうことに縁のない俺はびっくりして声も出ない。
それでも何とか頭の中で考える…
18時~19時……って言ったら帰宅途中の時間だ。
素直にそれを話すと、
「確実なアリバイはないと言う事だな。連れて行け」と無情にもいかつい刑事は若い刑事に目配せした。
そ、そんなっ――――!!
――――
――
あまりの急展開に、俺はもはや反論すらできずに大人しく拘留場に入れられた。
ガシャンっと言う、鍵を閉める無情な音が響いて、去っていく刑事を呆然と見送ることしかできない。
どうしてこんなことになっちゃったんだろう…
頭を抱えて冷たい床に腰を降ろす。
部屋は3畳ほどの小さなもので、質素なベッドが一つだけ置いてある。ドラマとかで見たまんまだ。
はじめて入れられたぜ…
って、感心してる場合じゃねぇ!
俺じゃないってーーーー!!!!