LOVEsoHIGH
「お呼びでしょうか? お客様」
私が行くと、彼はノートパソコンから目線を上げた。
仕事でもしていたのかな? 何の仕事をしている人だろう?
「呼んでるから、手招きしたんだろ」と不機嫌そうな顔をする彼に、やっぱり期待しちゃダメだと自分を抑制する。
それから彼は座席を少し倒して寄り掛かると、ネクタイを緩めた。
うわぁ……
無駄に色っぽい。
やめて欲しい。
「ホットコーヒーお願い」
何様? この男
調度いいお湯に浸かっていたら、いきなり頭から冷水かけられてクスクス笑ってるタイプに違いない。
笑顔が引きつる。
ああ、いけない。
お客様だった。