LOVEsoHIGH
手が解放される。
手のひらには……
12:00
reservation
……と書かれていた。
「何ですか、これ?」
仕事中なのも忘れて、彼を睨み付けた。
「大丈夫、油性だ」
彼は万年筆をクルリと回した。
「そういうことを聞いているわけじゃな……」
「デートの約束だろパリについたら、その店にその時間に待ち合わせ」
彼が得意気に、クイっと唇を引き上げるとクラクラした。
この人、天然のナンパ師だ……
私、変な男に騙されかけているのかもしれない……
この顔で何人の女の子が泣かされてきたんだろう……