愛せるのはお前だけ。
ぴらにあ
『ねぇねぇ!
このおさかなさん、なんてなまえなの?』
小4のお前が、キラキラした目を俺に向けた。
小2の俺は、こいつが大好きだった。
最初は「いつも一緒に遊んでるお姉ちゃん」ってかんじだった。
だけど、でかくなるにつれて俺は気づき始めたんだ。
・・・乙葉が好きだと。
それに気づいたのは小2の時。
ピラニアを乙葉に見せる、少し前のこと。
『おまえ、おれよりとしうえのくせに
さかなのなまえもしらないのかよ
だっせーなぁ』
小さい頃の俺は、好きな子に優しく接することも出来なかった。
いわゆる、「好きな子程いじめたくなる」ってやつだ。
『これは、ぴらにあっていうんだ。
とおいところにすんでるってパパがいってた。
こいつ、すごいんだぜ!なんでもたべるんだ!!』
乙葉よりもキラキラした目で言う俺。
乙葉は少し考えるポーズをした。
「なんでも・・・ってことは、
こみやせんせいもたべるー?」
可愛い顔して、なんてこと言ってんだ乙葉・・・。
ちなみに、小宮先生は乙葉の担任の先生。
乙葉は、この先生が大っ嫌いだった。
もちろん、こいつが嫌いなヤツは、俺も大っ嫌いだ。
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