私だけを愛して。
「茉亜耶…お前津田茉亜耶だろ」
俺はつい名前を言って
しまった…
こいつは俺のことなんて
覚えてないだろ…
泣いているお前を
慰めた俺のことなんて…
「そうだけど」
やっぱり…
お前は相変わらず
美人だな…泣き顔も…
「俺、押田魅羽斗。」
せめて俺の名前くらい
覚えてくれ…
もう一度会いたかった…
お前がこの学園に
居たなんて知らなかったよ…
「そう」
茉亜耶はそう呟いて
屋上から出ていった。