【完】想うのはこれから先も君ひとり
「はい。終わり」


俺はドライヤーをテーブルの上に置く


すると、杏莉は向きを変え抱き付いてきた


「ありがとう」


ニコッと微笑む杏莉は可愛いと思った


「好き…」


俺は耳を疑った


「本気で言ってる?」


恥ずかしそうに頷いた


「さっき、翼に会って気付いたの。本当は優斗に初めて会った時から恋をしてたんだって。」


杏莉から聞く初めての真実


「ただね、この気持ちを認めたくなくて…。ごめんね?」


謝る杏莉を今よりも強く抱きしめた


「杏莉、もう1回言うからな。俺と付き合って下さい」


「あたしで良ければ宜しくお願いします」


初めて気持ちが通じた瞬間がこんなにも嬉しいとは思わなかった


「ご飯食べような」


俺は杏莉を支えてテーブルまで連れて行く
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