【完】想うのはこれから先も君ひとり
「そして、別れた妻が交通事故に遭い不自由になった杏莉を捨てたとつい最近聞きました」


あたしは最後まで聞くことにした


これも仕事。


「それから必死に杏莉を探しました。だけど、見つからなくて。そんな時、行き着いたのがこの場所でした」


「どうして杏莉に?」


いきなり来て会いたいなんて杏莉はパニックになる


ちゃんと理由を聞かなきゃ。


「本当はずっと悔やんでました。我が子なのに捨ててしまって…。だから謝りたいんです」


大志さんの表情からして本当に反省してるようだった


「大志さん、あたしの話も聞いてくれますか?」


似ている気がしてあたしのことも話したくなった

大志さんの顔は驚きを隠せないみたいだけどあたしは話してみることにした


人の痛みを分かってあげるのもあたしの仕事だから。
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