【完】想うのはこれから先も君ひとり
「杏莉、おいで?」


ある程度の片付けが終わりソファーに座り杏莉を呼ぶ


すると、嬉しそうな子犬のように近寄ってきた。


そして俺の方へと抱き寄せる


「優斗、ごめんね?ワガママばっかり…」


ショボンとした杏莉の頭を撫でる


「ワガママなんて思ってねーよ。」


強がりで寂しがりやな杏莉にはこのくらいしないとな。


「只でさえ身体に負担は大きいんだから無理はするな」


“うん…”と小さく頷いた


「身体壊してからじゃ遅いからな」


最近は体調が優れてるらしく熱も出ないみたいだ


「優斗、ギューッてしてくれる?」


俺は“膝の上に来い”と合図をする


すると恥ずかしそうに向き合うように座ってきた


そして、優しく抱きしめる


杏莉がこれを頼むと人の体温を感じたい証拠というのが最近分かった
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