【完】想うのはこれから先も君ひとり
「瑠夏さんだって俺だって信じたくなかったよ。でも、本当だったんだ」


「お父さんもお母さんもあたしを捨てた。もう悲しい思いはしたくない」


その気持ちは凄く分かる


「だけど、逃げるな。今、乗り越えなきゃいけないんだ」


辛いのは杏莉だけじゃない


「会わなきゃいけないのは分かってるけど…怖いの。」


杏莉は寂しがり屋で怖がりだ


「杏莉1人で行けとは言わない。俺もついていく。」


「ほんと…?離れない?」


「本当だ。杏莉のペースで良い。前に進め。俺は何があっても杏莉だけを想ってる」


自分で言っといて恥ずかしい


「会うのは会うよ。だけど、もう少し時間をちょうだい?」


「分かってる。気持ちの整理しなきゃだもんな」


杏莉の中でけじめをつけてから本当の父親に会って欲しいんだ。
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