【完】想うのはこれから先も君ひとり
「優斗…?」


「あっ、杏莉。起きた?」


布団にくるまったまま俺に近づいて来た杏莉


そして、何も言わずに後ろから抱きついてきた


「もう少し、このままが良い」


杏莉にしては珍しいな。


「どうした?」


何も言わない杏莉


「お父さんに会わなきゃいけないの?」


「聞いてたのか?」


小さく頷いた杏莉


仕方ない。話すか…。


俺は手を洗いソファーに座り杏莉を抱き寄せた


「出張やら会議やらで忙しくて明後日しか休みが取れなかったらしいんだ」


「急にだね。」


まぁ、確かに…


「でも、会わなきゃいけないんだよね」


杏莉なりに前に進もうとしてるんだ


「俺は傍に居る。だけど、2人で話すことが最優先だ」


「優斗に言われると勇気が出るかも」


前に進む勇気を与えるのも俺の役目
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