【完】想うのはこれから先も君ひとり
「杏莉なんだね?」


「はい…。貴方は本当にあたしのお父さんですか?」


実際は会った今でも信じられなかった


お願いだから嘘だと言って…?


だけど、答えはやっぱり思った通り


“そうだよ”の一言


「杏莉、隣に来てくれるかい?」


お父さんだと名乗るその人はあたしを隣に座るように指示した


隣に行ってもいいけど…


「大丈夫。ゆっくりで良いよ」


そういって優しく微笑んでくれた


あたしはゆっくり立ち上がり隣に座る


緊張しててどう接して良いか分からない


「俺は岡田大志だ」


これがお父さんの名前?


何を話して良いか分からなくて沈黙が続いた


「杏莉、ごめんな?」


……えっ?


「辛かったよな…」


恐る恐る顔を上げて見てみると本当に反省してるんだなって思った
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