【完】想うのはこれから先も君ひとり
「俺と那智(ナチ)は高校時代から付き合ってた」


那智ってお母さんの名前だよね…


「でも、高校時代から不良だった俺は遊んでばかりで…。二十歳の時に子供が出来た。それが杏莉だ」


あたしは黙って聞くことにした


「でも、籍は入れなかった。だから遊びたい一心で那智と杏莉を手放した」


やっぱり、あたしはいらない子だ


「それからしばらくして那智と杏莉が事故に遭ったって聞いた時から自分を見つめ直してまた新たなスタートをした」


話を聞いていて幼いながら覚えいるあの時の出来事が蘇る


怖くて泣き叫んだあの日の出来事が…


「今のお店を立ち上げてからゆとりが出来た時に杏莉を探し出したくていろんな場所を回った」


言葉に詰まりながらも懐かしそうに話す


そして、たどり着いたのが此処ってわけか…
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