【完】想うのはこれから先も君ひとり

「でも、どうして此処が分かったんですか？」


「未優ちゃんだよ。」


そう真剣に答えた


「未優さん？知ってるんですか？」


「あぁ、うちのお店で働いてくれてるからね」


世間って狭いな…。


「未優ちゃんがね、嬉しそうに言ってたんだ。“弟に彼女が出来たって”」


未優さん、本当に嬉しかったんだね


「それで詳しく聞いたら俺が探してる杏莉だったから場所を聞いて此処に来たんだ」


「お父さん、探すくらいならなんであたしを手放したの？あたしね、不安だったんだよ？寂しかったんだよ？」


涙ながらに話すあたしの頭を撫でながら聞いてくれる


「運動会とかには皆、親子で居るのにあたしはいつも１人で周りが羨ましかった。この身体だとイジメられてばっかりなの」


話したいことはたくさんあるのに言葉にならない