【完】想うのはこれから先も君ひとり
隣で気持ちよさそうに眠る杏莉の頭を撫でる


杏莉の前で泣いたのは初めてだった


姉貴の前でも、優雅や愛花の前でも泣いたことなかったのに…


杏莉に甘えてしまった


“優斗もね、あたしの前では弱くなって良いよ…ちゃんと受け止めるから”


そう言ってくれた杏莉はとても優しくて…


その言葉を聞いた俺は安心して初めて杏莉の前で泣いた


あんな優しい言葉を掛けてくれたのは杏莉が初めてだったから。


俺が落ち着くまで小さな身体で一生懸命抱きしめてくれて背中をさすってくれていた


杏莉には負担を掛けたくなくて弱音を吐かないって決めてたのに…


親父達のことになると自分ではコントロール出来なくて杏莉に助けを求めた。


そんな俺を杏莉は嫌な顔や文句1つ言わずに受け入れてくれた


“次はあたしが役に立つ番”と言って…
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